10月26日に東京ワーカーズの企画で、栃木県足利市にある知的障がい者の施設こころみ学園と、作業訓練の場にもなっているココ・ファーム・ワイナリーに行ってきました。
こころみ学園は50年ほど前、中学の特殊学級の先生をしていた川田さんによって始められました。現在85歳になる川田さんは、自ら見学者を迎え、こころみ学園の目指すものについてお話をしています。50年前、特殊学級や授産所の知的障がいの子どもたちは、社会や地域での十分な理解のない中で、親たちに保護されて暮らしていくしかなく、その手は中学生なのに、赤ちゃんの手のように柔らかかった、彼らにも集中することのできる労働の場が必要だと郊外の山を買い、彼らと木を一本ずつ切り、開墾していったのがこころみ学園の始まりだ、と川田さんは話されます。いまでは2000年の沖縄サミットにここのシャンパンが使われるなど、ワイナリーへの評価は高く、みんな自分たちの労働に誇りをもっているそうです。詳しい学園の話は川田さんご自信の著書もあるので、是非詳しく知りたい方はお読みください。
今回の企画は東京ワーカーズが今年度方針の「障がいのある人とともに働けるプロジェクト」をうけてのものでしたが、参加者も色々な地域からの参加でした。埼玉で障がいのある人もない人もともに過ごせる居場所作りをしている「青い空」、多摩市の委託を受けて公共スペースで障がい者と共に働く場としての喫茶などをやっている「風(ふう)」、そして府中市で自閉症のこどもと親をサポートするNPO事業をおこなっている「ポップシップ」など、それぞれから集まった人たちの話を、往復のバスの中で聞きあうのも楽しい時間でした。
その中で埼玉の「青い空」のレストランには近くの精神科の患者さんや先生たちが集まるようになり、精神を病む人たちもそこの質の良い食事をとることで、精神的にも安定し、病院の関係者からも喜ばれている、と言う話はとても納得のいくものでした。
地域でだれもが安心して暮らすために必要な場、それは労働の場であったり、食事の場であったり、相談もできるスペースや、なにもしなくても居られる場であったり、もっと色々あるかもしれません。そんな場つくりへの刺激を受けた一日でした。