斎藤さんは、昨年名古屋で開かれた共同連(差別と闘う共同体全国連合)の集会で、これからの社会的事業所の目指す方向性を、障害者だけではなくホームレス、外国人、母子家庭、依存症状にある人など、すべての社会的弱者との共働へとする、と宣言し、私を含め参加者の大きな共感を呼び起こした人であり、その斎藤さんに話を聞くことが今回の大きな目的でもありました。
25日の朝、わっぱのメンバーとの待ち合わせの駅に行くと、ひょこっと現れたのはご本人斎藤さんでした。私たちは斎藤さんに引き連れられて工場街の一角にあるリサイクルセンターに向かいました。そこでは市内のスーパーからでる発泡スチロールのとろ箱を回収、破砕機でフレーク状にする作業をしています。
3年前までは缶やペットボトルのリサイクルをしていましたが、取引単価が下がって事業がなりたたなくなり、切り替えたのだそうです。作業は軽作業ですが、引き取りと売り渡し価格合わせてキロ110円で収益性はまだ難しいようで、今後最終処理の溶融処理まで手掛けたいとのことです。
ここでの雇用は11人で6人が障害のある人です。すべて社員で最低賃金、社会保険も当然保障されています。社会的事業所の賃金形態は働く効率によるのではなく、すべての社員が分配金という考え方です。ですから、ここでの収益はまだ見こめませんが、他の事業所との合算でどの事業所で働いても同じように分配金が支払われます。
この分配金という考え方が社会的事業所を特徴づけるもので、いわゆる福祉的事業所や作業所とは大きく違うところです。
次はそのあたりをもう少し詳しく報告します。