政治は生活!  −遊佐町長小野寺さんの講演会からー

都議選候補予定者の紹介も

 1月27日、東京生活者ネットワークの新春の集いがおこなわれました。今回の講演者は、山形県遊佐町の小野寺喜一郎町長でした。
 遊佐町は生活クラブ生協のお米を始め、平田牧場の豚肉、農産物の主要産地であり、生産者と消費者の協働による食の安全、安心の可能性追及の実験地のようなところです。現在も無農薬実験米やエサ米の取り組みが進められています。過去には田んぼの水源である月光川上流でのアルミ工場建設反対運動を、生活クラブの組合員が署名やカンパで応援をしたこともあり、それをきっかけとしての生活クラブの「せっけん運動」が遊佐農協婦人部に伝わり、今ではせっけんプラントをもつような根強い活動になっています。

 小野寺町長は、戦後の高度成長は地方と都市部の格差生み、それを是正しようと何度かの国土利用の総合計画が作られ、それなりのお金もかけて実施されたが、結局お金も人も都会に集まる結果になっている。これは政治が生活とかけ離れたところでおこなわれているからだ。政治は生活であり、政治を地域の中で組み立てていくことが必要だ。地方公共団体を地方政府にしていくこと、法案や財源を地域が持てるようにして、政策を作り上げることでしか問題は解決しない。そのために2007年には遊佐町まちづくり条例策定に取り組み、住民が議論を重ね、自分たちの心の中に「自立したい」という気持ちがあるのかを問い返しながら作りあげた、と話されました。そのまちづくり条例の第1条では、住民の定義を住んでいる人、働いている人、また訪れる人すべてを住民とみなし、その権利を保障する、としたそうです。もちろんそれに伴う義務もありますが、旅行者も住民として受け止めようという、遊佐の皆さんの大きさを感じました。
また住民の参画意識は子どものときからの体験が重要と、6年前から青少年活動推進条例で公選による少年町長・少年議員制度を設け、町長は子どもたちの提案に対して予算枠を設け、意見や提案は実現する、という実感がもてるようにしているそうです。
今後に向けては、議会は首長の立場からすると質問への反問権を認めるべき、前例、慣例、既得権の排除が必要、そのための議会基本条例の検討を呼びかけたい、と考えているそうです。あの町長の饒舌を打ち破るには議員もかなり大変だろうな、と思いましたが。
最後に、今年7月12日の都議選でネットが訴えていることこそ、生活の中からの政治だ、と力強く応援してくださいました。元気がでる講演会でした。

 その後、東京都議会議員選挙候補予定者6名の紹介がありました。その中の一人、杉並選出の坪井まりさんは長く府中に住んでいた人で、府中ネットの賛助会員でもあります。頑張れ!坪井さん。
皆さん、坪井まりさんのHPも見てください。