監査される人が監査委員を選ぶのもおかしいけれど・・・

 今、12月議会の真っ最中です。
4日が所属する総務委員会でしたが、監査委員会から監査委員を一人増やしてそのうちの一人を常勤監査にする、という条例改正提案が出されました。理由は推計人口が25万人を越え、監査業務が非常に増えてきたし、今後住民監査請求なども増えることが予想されるからです。

 地方自治法でも確定人口が25万以上の政令市になると監査は4人、そのうちの一人は常勤ということが決められていますが、推計人口と確定人口では「できる」と「ねばならない」では判断基準が違います。確かに監査の範囲は財政だけではなく、行政や議会の業務内容、関係団体の事業内容や補助金を出している団体にまで及ぶなど広範囲です。特に地方分権による自治体の独自事業の拡大もあり、監査委員会の必要性が言われていたのですが、実際の監査委員会はとても地味な存在で、議会の中でも注目されるのは、議会からの選出委員を決める時ぐらいでした。

 委員会前に監査委員について色々調べて見たのですが、常勤監査委員を職員OBから選んでいるところが半分以上ある、と言うことが出ていました。これって変ですよね、今まで自分がいた組織の監査をOBがきっちりできるのでしょうか。そんなことを思っていたら、総務省が2006年に地方分権改革の一環として出した指針の中で常勤監査は原則職員OBにはすべきではない、というのが分りました。これは例の夕張の財政破綻をなぜあそこまで見過ごしたか、の議論の中で、常勤監査が職員OBだったということがあるようです。

 現在の法令では、監査委員の提案件は市長にあり、監査される側が監査する人を選ぶ、という変な仕組みですが、長野県などは公選による監査委員を作るなど、監査委員会のあり方も変わりつつあるようです。府中市もせっかく「監査の充実を」というのであれば、公会計制度も進め、外部監査も検討するなど、監査の全体像を示して欲しいものです。少なくとも職員OBを選出などしてはいけませんね。