宮本常一特別展 あと残り2日

 今年は選挙に埋没しているうちに、一年の半分が過ぎてしまったことを思うと、ぎょっとし焦りも感じますが、6月議会が終わった23日、楽しみにしていた郷土の森博物館で開かれている「宮本常一の足跡」展に行き、ゆったりとした時間をすごすことができました。

 宮本常一は周防猿回しや山古志村の資料収集、また離島振興などに情熱を注いだ民俗学者として知られた人物ですが、ここ数年各地での「地域おこし」が言われる中、改めて宮本常一への関心が高まっています。こんな凄い人が、晩年までの20年を府中に住んでいたと言うのはあまり知られていなかったようです。
今回の郷土の森での企画は、宮本常一生誕100年にあわせ、その足跡をたどるものです。
宮本常一は旅先で多くの写真を残していますが、それはちょうど時代が高度経済成長の只中で、消えていく何気ない庶民の生活そのものを捉えています。

 住んでいた府中市の写真もかなりあり、農家のたたずまいや祭りの様子、東京オリンピック前後の甲州街道の様子など、今の都市化する府中の前兆を感じさせます。その変化の中で、宮本は府中に何を見出したのか、なにを大切にせよと言っていたのか、気になるところです。市とのかかわりは写真だけにとどまらず、府中市史編纂や昭和42年の府中市長期総合計画審議会委員の中に名前を見ることが出来ます。
今、府中市でも都市計画マスタープランに基づく「まちづくり懇談
会」や福祉の視点からのまちづくりなど、新たな地域づくりへの動
きがありますが、その時、宮本常一が持っていた「ものの見方」こそ、大きな助言となるのではないかと感じます。
特別展はあと二日、7月1日までです。
是非、お出かけください。