最近参加した2つの学習会についてご報告します。
*2月26日に立川で「まっとうな国民投票のルールを作る会」の今井一さんのお話がありました。
これは今盛んに行われている憲法改正議論の中でややもすると忘れられている、憲法改正手続きをどうするのか、をしっかり考えないと大変なことになりますよ、というお話でした。
チラシからの文章を引用すると『「改憲の是非を問う国民投票」が政治的日程として組み込まれつつあります。この国民投票をどんなルールで実施するかについて、主権者みんなで考え意見を出し、国民の意思をきちんと反映されるようにしたいものですが、国会ではそのルール設定のための立法措置である「国会法の改正」と「国民投票法の制定」について間もなく審議が始まろうとしています。「護憲派」「改憲派」どちらかに有利になるルール設定ではなく、その枠を越えた公平で真っ当なルールとは何かを論じ合い見出すことが必要』というものです。
憲法、特に9条のあり方についてはさまざまな意見があります。しかし今の国会の状況では改正に向けての手続きが進みそうです。そのときにより国民の意見を反映できるルールがなければいけません。今井さんは、「国会の議員の構成で重要なことが決まるのはおかしい、国民に重要なことが判断できるのか、という意見もあるが、どこの住民投票をみても住民は最初から勉強している訳ではない。しかし、国民投票(住民投票)があるから勉強する。96条は国民主権の土俵なのだから。」と話していました。このことについては3月21日午後3時から各政党代表参加の公開討論会があります。問い合わせは{真っ当な国民投票のルールを作る会
℡・fax06−6751−7345}へ
*2月27日に調布で「八ッ場ダム住民監査請求スタートの報告会」がありました。
これはネットの「わくわく通信」でもお知らせしたことがありますが、50年前、利根川支流の吾妻川に治水(洪水を防ぐ)と利水(水道水や工業用水としての利用)を目的とする八ッ場ダム建設計画がたてられました。しかし、現在では利水の必要性も少なく、200年に1度の洪水を想定しての治水についても疑問が出される中、国土交通省は建設費だけでも4,600億円(関連事業費・借金の金利も含めると9000億円近くの事業)を続行しようとしています。
この9.000億近くの事業費のうち4.000億円を利根川流域の一都5県が負担することになっており、東京都の負担は1.272億円です。これに対して市民グループが東京都知事と東京都水道事業管理者に治水負担金と利水負担金の支払いの差し止めと、過去1年分の支出金の返済を求める住民監査請求を起こし一回目の意見陳述が2月16日に行われました。
今回はその報告と、弁護団が何を論点として戦っていくのかについて、弁護団長の高橋弁護士が説明してくれました。お話では首都圏水面の水が余っていることを証明するためのデータ・治水面での必要性として国が言っていることをひとつ一つ崩す根拠・またダムの建設によって予測されるダム周辺の地すべりの危険性について専門的分析により立証していく裁判の大変さが伺えました。この裁判も早くても2年以上といっていましたし、この間にも工事はどんどん進んでいますから、国や都が決めたことを止めさせることの大変さを感じました。このことは新聞でもあまり報道されていませんが、私たちの税金で進められていることですから、注目していきたいと思います。ちなみに次回の公判は4月20日10:00から東京地裁であります。また、岩波ブックレット「八ッ場ダムは止まるか」も参考になります。