ゴジカラ村は多世代が住む地域社会

名古屋への会派視察報告

ゴジカラ村案内板
ゴジカラ村案内板
 生活者ネットワークでは、他の自治体の取り組みに学ぼうと、年に1回会員も一緒に会派視察を行っています。
今年は、地域での福祉を学ぼうと名古屋の2つの団体への視察を行いましたので、何回かに分けてご報告します。

 最初の視察先、社会福祉法人「たいようの杜」が運営する「ゴジカラ村」は、愛知万博会場になった長久手町の一角にあります。広さは3万平、特別養護老人ホーム、ケアハウス、幼稚園など複数の福祉施設があり、その広い村の中を「ゴジカラ村役場」の職員田中さんが案内してくれました。

 ゴジカラ村のスタートは26年前に作った特別養護老人ホームです。現理事長の吉田一平さんに、所有地に老人ホームを作ってくれないか、と声をかけられ、それなら入る高齢者の視点に立ってと作ったのが少しカーブした廊下や、庭に雑木林のある建物です。その当時、長久手地域では老人ホームに親を入れることを隠して訪問することもない家族も多かった、それならば家族が来たくなる施設を、と温泉を作り、次に自分の子供が通わせたい幼稚園がない、それならばと自分で思うような幼稚園「もりの幼稚園」を作って、と村は異年齢が暮らす場になっていったそうです。
 もりの幼稚園は年齢別ではなく異年齢の縦割り方式、教室は森の中に立つ9つのバンガロー、敷地は傾斜地で水路があり、木が茂り、お昼のお弁当はみんな好きな木の下で食べるのだそうです。
森の中で聞く子供たちの声は土や木に吸収されるのか、周囲の高齢者施設にうるさく感じることはないようです。それ以上に高齢者の方にとっては、子供たちの声や姿は普通の景色でもあり、元気を引き出してくれることにもなるのだと感じました。