災害と女性〜正井礼子さんを招いて〜

報道されなかった阪神・淡路大震災

ウィメンズネットこうべの正井礼子さん
ウィメンズネットこうべの正井礼子さん
 首都直下型地震が起こる確率は10年以内であれば30%、30年以内であれば70%とも言われ、府中市でも昨年、防災計画の見直しが行われ、毎年防災訓練も行われています。けれども、実際に避難所での生活がどのような状況なのか、暮らしはどうなるのだろう、ということまでのイメージは持ちづらいものです。

 生活者ネットワークでは、災害が起きたとき私たちの暮らしは、まちはどうなるのかを女性の視点から考えようと、阪神淡路大震災を経験し、その後も女性の視点に立っての問題提起をしている「ウィメンズネットワークこうべ代表 正井礼子さん」を招き学習会を行いました。

 正井さんは、災害が起こるとその社会の一番弱いところが明らかになる、といいます。そのひとつが震災でなくなった60%が女性であり、その中でも単身高齢女性が多かったことです。その背景にあるのが所得の低さであり、結果安全な住居を持つことができず多くの高齢女性が建物の倒壊により亡くなっています。

 また、多くの女性たちが仕事を失いました。男性たちは競うように翌日から会社に行き、残された妻や女性たちは家族の世話や被災した家の片付けや水汲みを余儀なくされ、その結果仕事を失ったといいます。非正規労働であればなんの保障もありませんでした。その数、10万人とも言われていますが、そのことすらたいした報道にもなりませんでした。

 私たちはもっと耳を疑いたくなるような報告を受けることになります。それは女性に対する性差別であり、性暴力についてです。