制度改正から1ヶ月「何とかしなくちゃ」

4月から介護保険制度、障害者の支援費、医療制度など、私たちの暮らしに影響がある社会保障制度が大きく変わりました。
この制度改正について、スタート後の検証を含めて、今後に向けての学習会がいくつかあり、参加してきました。
25日はオフィス・ハスカップ主催の「国会から考える社会保障」へ。
講師は石毛えい子さん(前衆議院議員)、国会という立法府にいた立場から見えてくる制度改正の問題点についてのお話でした。
与党多数のもとでは法案はほとんど固められていること、政省令委任が多くて実質審議ができにくいこと、審議時間が制約されていること、(障害者自立支援法のときも1割負担の議論に時間をとられ、他の重要な議論ができなかった)や、それぞれの法案を作る前に学識経験者や当事者も含めての検討会が行われ、基本的理念に生かされて入るが、小泉首相のもとに置かれた経済財政諮問会議の意見に引き戻される状況があるなど、やっぱり経済優先なんだな、という感じがしました。
もうひとつの問題として、最近の検討会メンバーが、その分野で中心的存在の人で構成される傾向があり、在野から影響力を持って発言する人が少なくなったこともあげられ、ここにも一極集中の問題点が出ている気がしました。
こうやって決められた新制度に、今現場は大変な状況です。
27日には東京ネットの福祉部会で、日野で障害者の作業所やグループホームを運営している「NPO法人やまぼうし」の伊藤さんからお話を聞きました。
「障害者自立支援法が最初に出された時は、最初は期待が8割、不安が2割だったが、今は不安が8割になっている、日本の福祉が岐路に立っている、特に従来型の大きな施設は温存されるだろうが、小規模で地域でがんばって何とかやってきたところが厳しい、持ちこたえられないのではないか」といつも前向きな伊藤さんでさえ暗い表情でした。
特に、今後10月に向けての認定審査では、軽度の知的障害や、精神障害の人たちはマニュアル通りやると厳しい結果になるのではないか、と心配していました。
介護保険も障害者自立支援も、制度スタートのぎりぎりまで具体的内容が決まらず、みんな走りながら考えようと走り始めていますが、走り出したらもう元には戻れないのかもしれません。
伊藤さんは地域で作業所が一斉に「もうやめた!」と言ったら国は少しはあわてるかもしれないけど・・・、と言いながら「でも何とかしなくちゃ」と忙しそうに場を立ちました。
私たち市民は何ができるのか、でも「何とかしなくちゃ」と思います。

明日(28日)は水俣フォーラム主催の集会に行ってきます。