昨年の20日に終わった12月議会では、介護保険制度改正を取り上げました。その中でも軽度の要介護者のサービス内容が「介護予防重視」に大きく変わるということよる問題を取り上げました。そのことは、わくわく通信80号で詳しく報告しています。
ここでは、一般質問をつくるにあたり、多摩同胞会でスーパーバイザーをしている金(キム)さんから受けた講義?について報告します。
金さんは韓国から6年前に来日し、社会保険としての介護保険制度を研究テーマとして、一ツ橋大で修士論文を書いた方ですが、その時フィールドとして選んだのが府中市で、以来多摩同胞会に勤務しながら研究をしています。
わたしが訪ねたのは、たまたま福祉関係の新聞に金さんが「介護保険改正の課題」という連載記事を書いていたのを目にしたからです。
金さんは、「介護保険は最初の要介護区分の制度設計が悪かったのではないか、介護の必要度は身体的な要素よりも、本人の判断能力、家族の介護力、住まい、経済力が重要な要素であり、その見直しがなされなければ改正しても上手くはいかないだろう。また厚労省は介護保険制度スタート時には、特養のサービス基準を居宅でのサービス基準とすることを目標としたのに、今回の改正では居住費・食費の本人負担になったことに見られるように、基準軸をずらしてきている。さらに、介護保険で受け入れたのだからと、更に医療制度での居住費・食費の本人負担を当然とするなど、社会保険全体の基本軸を変える結果になっている」と話していました。今回の介護保険における「軽度」の要介護者へのサービス減少は、支援費制度では軽度の知的障害者のサービスに影響し、医療保険の慢性患者への医療サービス減少につながるだろう、と話していましたが、今出されている「医療制度改正試案」をみるとその通りに動いています。社会保障全体をしっかりと見極める視点が必要だと実感しました。
金さんも「話を聞いてもらって本当に有り難い。」と言っていましたが、また大勢でお話(講義)を聞く機会を作りたいと思っています。
では、みなさま、今年もよろしくお願いいたします。