忘れてはいけない「遺伝子組み換え」の問題

 今日は生活クラブの「みんなで作ろう!ステキなまち}集会に参加しました。それぞれのまちでの、川の調査活動や生き物調査など、この1年の地域活動の報告会で、どの報告からも、自分たちのまちを市民の視点で見直してみると、新たな課題が見えてきて、とても刺激になりました。ちなみに、府中の地域協議会は「ごみ削減の活動」を報告しました。この報告は別の機会にまわし、今日は久ぶりに聞いた「遺伝子組み換え問題」について報告します。

 ちょうど私が生活クラブの府中支部の委員長をしていた10年程前、「遺伝子組み換え作物」の問題が騒がれ始めました。「遺伝子組み換え」とは大豆やとうもろこしなどの品種改良(改良といえるのか?)を、これまでのように交配を繰り返して変えていくのではなく、細胞に直接他の特性を持つ遺伝子を「打ち込む」ものです。その遺伝子は、時としてバクテリアや虫のものだったり他の種である場合が多いのです。その安全性について長期間の実証があるわけではなく、とても不安に思ったのを思い出します。府中でもジャーナリストの天笠啓祐さんを招いて学習会をしたり、署名をとって議会に陳情を出したりしました。その後、生活クラブの菜種油の原料生産地である西オーストラリアが遺伝し組み合え菜種の栽培を許可しそうだと言う時には、生活クラブの組合員代表でオーストラリアの生産者や農業省に「作らないで!」と言いに(もちろん通訳を通してですが)行ったりもしました。

 組合員活動から離れて、その後の動きをあまり掴んでいなかったのですが、今日の集会で「遺伝子組み換え魚」の話を聞き、10年前の不安を思い出しました。これは遺伝子組み換え作物などの基準を決める「コーデックス委員会」で、2005年から「遺伝子組み換え動物」の基準作りが始まり、2008年には基準が決まり、早ければ2010年ごろには食品として市場に出回る可能性があるというものです。
今、開発が進められているのは豚や魚、昆虫など。特に魚は3倍の大きなになる鮭や病気への耐性を持つ昆虫の遺伝子を組み込んだスズキなどで、市場化が一番早いだろうと言われています。

 遺伝子組み換え魚(動物)の問題は、魚は移動範囲が広いのでいったん逃げだしたら大変なことになることや、その魚の生命力が弱められ生命系に異変が生じる可能性があること、また安全性の問題以外にも倫理・環境・動物福祉の視点など、不安は山ほどあります。「遺伝子組み換え」の問題点は、ほとんどマスコミで取り上げられることも無く、知らないうちにここまで来てしまったのか、と思いました。

 昨年、市に出した予算要望で、市として「遺伝子組み換えフリーゾーン」宣言をすることを求めましたが、より積極的な情報収集と市民への情報提供が必要です。